仕事の「量」「質」を両立する【段取り力】の身につけ方

仕事の「量」、仕事の「質」どちらを優先すべきか。ビジネスパーソンなら一度は考えたことがあるかもしれません。

一般的に、仕事の「量」を優先すれば仕事の「質」が低下する恐れがあるし、「質」を優先すれば仕事の「量」が犠牲になる。と考えがちですが、圧倒的なパフォーマンスを誇る優れたビジネスパーソンは、圧倒的な「量」をこなし、圧倒的な「質」の仕事をやり遂げます

では、彼らのように仕事の「量」「質」を両立するためには何が必要なのでしょうか。それは、【段取り力】です。【段取り力】を身につけることによって、仕事の「量」「質」を両立させることができ、パフォーマンスを向上させることができます。

この記事では、仕事の「量」「質」を両立させるための【段取り力】の付け方と仕事の「量」「質」を両立させるべき理由、筆者の体験談を紹介します。

【段取り力】の身につけ方

  • トラブルにも動じず、冷静に対処できる
  • 大量の仕事も難なくこなしてしまう

所謂、「仕事ができる人」です。あなたの職場にも、そんな人が一人はいると思います。仕事ができる人と、そうでない人の差は、仕事を効率良く進めるためのコツにあります。それが【段取り力】です。早速紹介していきます。

【段取り力】を身につけるための基礎的なスキルを知る

スポーツでもそうですが、必要なスキル(基礎能力)を鍛えないと選手個人もうまくなれず勝負に勝利することができません。【段取り力】を身につけるのも同じ事です。

段取りよく仕事を進めるために、必要なスキルを普段から鍛えておかなければなりません。段取りする内容が大規模、複数部門に渡る場合、一人ではうまく段取りを立案することができません。周りから知識・経験を引き出す必要があります。そのため、コミュニケーション能力や情報収集能力は必要なスキルです。

また、収集した情報を取捨選択し優先順位付けできる情報処理能力や、臨機応変な対応力も必要になります。

段取りの目的を明確にする

「何のためにこの仕事をするのか?」、「この仕事をすることで何を求められているのか?」が明確になっていなければ、段取りを立案することはできません。仕事というものには、必ず目的があります。目的がなんなのか把握することは【段取り力】を鍛えるはじめの一歩ともいえるでしょう。

段取りの優先順位をつける

仕事の目的が明確にできると、仕事に優先順位をつけることができます。

期限が迫ってきているもの、重要度が高いものを第一優先とし、すぐに対応しなくて良いものは優先度を落とす。このように順位付けをすることで、行き当たりばったりな仕事をすることが少なくなります。

仕事ができない人は、優先順位付けが上手にできていないという共通点があります。段取りが悪いと言われる人は、優先順位付けを意識的に行ってみるといいでしょう。

メモをとる

【段取り力】を身につけたいのであれば、メモをとることをおすすめします。メモをとることは習慣にするべきです。

メモを取ることで、今自分がどの部分の仕事をしているかを把握することができます。また、急な仕事が入って、一旦中断しなければならないことがあったとしても、メモを取っておけば、後で見返すことができます。

自分の段取りの振り返りをすることができるので、反省と改善をすることができます。また、同じミスを繰り返さないようになります。【段取り力】には、スキルの蓄積が必要なので、メモは財産として活用できるでしょう。

想定される課題に対するシミュレーションを行う

備えあれば憂いなしです。

スケジュールがタイトな段取りや問題が多そうな段取りの場合、事前に想定される問題に対し対策を考えておくのと、そうでない場合は段取りの進行に大きな差がでます。
先を読む能力を高めるのは簡単ではありません。が、シミュレーションした結果に対し課題を見つけることはそれほど難しいものではありません。

A案がボツになった→B案(場合によってはC案)でGOするとしておけば、段取りのロスを少なくする事ができます。こういった段取りができるかできないかで、仕事の効率は大きく変わります。

常日頃から先を見据えた業務を行う

段取りを直接実行するための方法とは異なりますが、段取りとは将来を見据えて、そこへの工程を作成することです。

そのため、今行っている業務の1週間後、1カ月後見据えた業務を行うようにすることで、段取りするための能力を高められます。また、目の前の仕事だけで無く、意識的に将来の仕事を考えると、現状の仕事の改善案が見えてくるようになります。

目先しか見えず、視野が狭くなっていると改善案はみえてきません。改善案が出てくるようになれば、それは段取りの改善につながり、結果、【段取り力】を高めることになります。

段取りをクセにする

【段取り力】はすぐに身につくものではありません。基礎的なスキルを鍛えることが必須です。そのため、自分でトレーニングするしか方法はありません。

段取りを立案することをクセにして、トライ&エラーを繰り返すことによって、【段取り力】は身についてきます。段取りがクセとして身体に染みついてきたなと実感する頃には、あなたは「面白いほど効率的に仕事ができる!」と実感するでしょう。

仕事の「量」「質」を両立させるべき理由

仕事のパフォーマンスは「量」×「質」によって算出されます。「量」をこなすことで初めて「質」の高い仕事をこなせるようにスキルアップできます。

仕事の最終着地点は仕事の「量」「質」の両立です。

仕事の「質」が良くても「量」がこなせないと・・・

たとえ仕事の質が高くとも、時間がかかるようでは問題があります。仕事というのは、一人で完結できるものではありません。自分の仕事は、あくまでも全体の一部でしかないため、自分の仕事が遅いと他のメンバーに迷惑がかかってしまいます。

また、昨今の変化の激しい時代において、スピードの遅さが致命的になってしまう可能性もあります。市場のニーズが次々と移り変わっていく中、今ある需要がいつまで続くかは誰にも分かりません。

仕事が遅く新製品のリリースが遅れてしまった場合、販売機会を逃してしまう可能性もあります。変化の速い時代は「質」ももちろんですが、「量」をよりスピーディーに処理する能力が求められます。

仕事が早い人=仕事ができる人という認識

ビジネスを行う際は、市場に対して適切なタイミングでアプローチすることが大切です。そのためには、何度もテストを繰り返すことが大事になります。いわば、数打ちゃ当たるという考え方です。

試行回数を増やせば、その分当たる確率を上げることができるでしょう。仕事が早ければ、同じ時間でより多くの試行回数を稼げます。

仕事の「量」「質」を両立すべき理由まとめ

  • 市場ニーズの変化に対応するため
  • 市場に対するアプローチのタイミングを逸しないため

仕事の「量」「質」を両立できているビジネスパーソンは一握りしかいないかもしれません。しかし、あなたの努力次第で【段取り力】を身につけ、仕事の「量」「質」を両立する事は可能です。実際に、筆者が【段取り力】を高めるためにしたことを以下に簡単にまとめました。

【段取り力】を身につけるためにしたこと・体験談

【段取り力】を身につけるためにしたこと
  • メモをとりまくる
  • 始業前にその日の仕事の優先順位付けを行う
  • 段取りのシミュレーションを何通りか行う
  • 1週間後・1ヶ月後・半年後の仕事の将来を考える

まずはじめに行ったのは、メモをとりまくることです。今までのルーティン業務や新しく引き継いだ仕事をノートに書き出して、周りの人に1から仕事の目的を聞いて回りました。

そうしていくうちに、仕事の重要度がランク付けできるようになりました。

その結果、仕事の優先順位付けをする→やるべき仕事、後で良い仕事の棚卸し→慌てず仕事ができるというルーティンを習慣付けることができるようになりました。

また、大勢が参加する会議だったり、複数部門にまたがる案件の段取りを立案する際も、1つの段取りで臨むのではなく、B案・C案も立案し、シミュレーションも事前に行うようにしました。未だに、準備したとしても慌ててしまうこともありますが、以前に比べ段取りのロスは劇的に減りましたし、何より心に余裕が持てます。

将来の仕事のあり方を意識しながら仕事をしたことは、今まではありませんでしたが、意識して客観的に観てみると、仕事の無駄や重複作業が目に見えてきます。気づいたときに改善案を提案したり、自分の仕事に照らし合わせて、自分の仕事の改善をすることができています。

まとめ

以上、【段取り力】の身につけ方と、仕事の「量」「質」を両立すべき理由を紹介しました。

簡単にできる方法から実践していくことで、【段取り力】は着実に身につけられます。【段取り力】を身につけ、仕事の「量」「質」を両立できるワンランク上のビジネスパーソンになりましょう!